新温泉町の昆虫化石は日本一

スジコガネ

資料

井上おもしろ館館長井上繁廣が採集した新温泉町の昆虫化石は新温泉町の
おもしろ昆虫化石館に行っても見ることが出来ます。
このページにある昆虫化石も ,おもしろ昆虫化石館のオープンから二年近く
貸し出しをしていました。
その後、井上おもしろ館所蔵の物は神戸に持ち帰り、おもしろ昆虫化石棺開館
前に温泉町から依頼を受け化石採集をした昆虫化石、植物化石が今も展示され
ている

長さ 2.3センチ
幅  1.2センチ

スズメバチ

カメムシ

★チビクワガタ発見記(暑い暑い夏の日)
1975年8月12日朝4時起きで神戸の自宅から車を飛ばし3時間半から4時間かけて温泉町海上の化石産地
(☆新第三紀鮮新世)
に到着した。
この場所が山中の午前中にもかかわらず暑くて汗がにじみ出てくる。
化石産地付近の地層を観察し化石採集をはじめる。
時間がたつにつれて真夏の太陽がぎらぎらと輝きセミの声が暑苦しく、涼しいはずの渓谷にいるのに暑苦しい。
私は一人で、人の気配を感じ羽音をたてて襲撃してくる蚊や時折見かける毒マムシ、さらには周辺に巣作りして
いるアシナガ蜂やクマ蜂に悩まされながら化石採集を続ける。
昆虫化石採集は小又川の崖から大ハンマーとタガネで昆虫化石の入った岩を取り出すことから始めなければなら
ないし、しかも化石採集で出来た崖のくぼ地(えぐれた場所)をさらに奥へ奥へと掘り進まなければいけない。
取り出せば簡単に割れる岩も周りからの圧力でタガネを打ち込んでもびくともしない。
何度も何度も数ミリから数センチの穴をタガネであけ、それを突破口に母岩を取り出すのは気の遠くなるような
時間がかかる。
取り出した岩を川原の大きな岩(私はまな板と呼ぶ)の上に置き、堆積するときに鮮新世から中新世に出来た縞模
様の(白と灰色の縞模様が数ミリから数センチ単位で交互に重なる美しい体積岩)母岩の上に縞模様と平行に包丁
をあてがい小ハンマーや中ハンマーで叩いて割っていく。
割ると地層に沿って割れ、割れた面からは植物の葉や種子、昆虫、水生昆虫、蟹などが化石として出てくるのだ。
この作業を繰り返し繰り返し行うが植物化石は出るものの昆虫化石はなかなか出てこない。
余りの化石の少なさからもう帰ろうと思いなじめた午後4時過ぎ、いつもは化石が少なく化石採集をしない崖の上位
にあるポイントを叩いた。
なんと叩いて落とした岩を包丁で割ると一回目で化石が出て来たではないか。
その化石は、この化石産地で一番多く出る羽アリ化石だった。
アリ化石を見つけたことで心機一転、残りの体力を出し切って本格的に岩盤との戦いに挑む。
しばらく採集をし、取り出した母岩の山が出来た。
前に述べた例の、まな板の上での昆虫料理を(包丁とハンマーで母岩を割って化石を取り出す)はじめる。
この時5時半、発見数は少ないもののカゲロウの幼虫やユスリカの幼虫化石などが出てくるので我を忘れて手に
血豆を作りながらさらに続行した。
西の空にまもなく日が沈むころ最後から三番目の母岩を割りはじめ三回目の包丁を入れた時のことだ。
私は割れた岩の表面を見てあっと驚いた。
なんと小さいけれど見覚えのあるクワガタが張り付いているではないか。
余りにも完璧な状態で化石が出てきたために一瞬、化石なのか現生昆虫なのかが解らず、夢を見てるような感じ
だった。
実際に崖の上に生えている木(ブナ)から現生クワガタが落ちて来て石に張り付いたものと思い込んで大切なチビ
クワガタ化石を私は割ろうとしていたのである。
ふと我に返り、割るのをやめて、ほっと胸を撫で下ろした。
大変貴重な化石を採集できたことに満足して、暗くなる寸前まで小又川の清流の岩の上でチビクワガタの化石に
見とれ、うきうきしながら空想の世界を楽しんだ。
再度我に返るとあたりは暗くなっていた。私は慌てて割り残した岩とこの日割った残骸(余りにも良い化石が出た
ので)までもリックに詰め込み(20キログラム以上)肩に背負って車まで戻り家路を急いだ。
最後に
もちろんチビクワガタの化石は現場で新聞紙に何重にも包み.大切に大切に車まで持ち帰り、車でもさらにダッシュ
ボードを空にして化石だけを入れ、宝物扱いで帰ったことは言うまでもない。

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トンボのヤゴ

兵庫の化石(昆虫ほか)

おもしろ昆虫化石館

アフラゼミ

女王アリ

カミキリムシ

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昆虫化石の本

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ベニボタル

ガガンボ

トンボ

ムシヒキアプ

この昆虫達は第三紀鮮新世の時代に生きていた

サワガニ

温泉町、海上産化石(井上コレクション)は「おもしろ昆虫化石館」に
展示されていたので見られた方も多いでしょう
※新温泉町にいかれましたらおもしろ昆虫化石館.にお立ち寄り下さい。

チビクワガタ

昆虫化石資料(学研の四年の科学他)にリンク