高島北海 富士三松図:掛軸 | 野崎淳之介 『玉石混淆 美術館』 blogsite

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玉石混淆=良いものもそうでないもののごちゃまぜになっている様。



高島北海(たかしまほっかい Hokkai Takashima
嘉永3年—昭和6年

明治時代から大正時代にかけて活躍した地質学者であり、画家の大家です。
兄は書家の高島九峰、娘は映画女優の高島愛子です。

高島北海は当時フランスのナンシーという場所に3年程留学していて
日本画・南画の紹介などをしています。
そして、そこで知り合った 後の巨匠エミール・ガレに影響を与え
アール・ヌーボー誕生の一端を担うこととなった人物なのです。
この業績により、北海は日本よりもフランスで評価が高いと言われています。



さすが地質学者というべき、見事な富士の図です。



手前に3本の松、その後ろに小さく2人の人物を描き
遠近法により画面の奥行きが表現されています。

落款部分です。
左は、高島北海・作とされる他の作品の物です。
「北海」の筆跡などほぼ同じといっていいでしょう。


ひと言コメント
箱はありますが、合わせ箱です。
題目表記と絵の内容が合っていません。

また、絵の中央上部から滴り落ちる水染みが非常に残念です。
このような水染みは、プロの修復家なら取り除くことってできるのですかね?