ジャガー横田の長男・大維志さん、母のデビュー47周年記念大会をプロデュースした思いを独占激白…「ハードコアに力を入れました」…7・18後楽園

スポーツ報知
ジャガー横田(左)と大維志さん

 女子プロレスラーのジャガー横田(61)が今月18日に後楽園ホールでデビュー47周年記念大会「孤高」を開催する。ジャガーは、中学を卒業した15歳で全日本女子プロレスに入門し1977年6月28日に大田区体育館でデビューした。WWWA世界王座を制覇するなど全女の女王に君臨したが86年2月15日に引退。95年1月に復帰し現在は、ワールド女子プロレス・ディアナに所属し最前線で活躍している。

 私生活では2004年6月18日に医師の木下博勝さん(55)と結婚。06年11月29日にハワイ・ホノルルで長男・大維志さんを出産した。デビュー47周年記念大会は現在、長野県の高校で寮生活を送る息子の“JJ”こと木下大維志さん(16)が初めてプロデュースする。スポーツ報知では、記念大会を前にジャガーと高校2年の大維志さんを独占直撃。今回の大会への思いを3回に渡って連載する。第1回目は、大維志さんがプロデューサーとしてこだわった試合とは。(取材・構成 福留 崇広)

 JJ(ジャガー・ジュニア)と呼ばれる大維志さんが母の記念大会をプロデュースするきっかけは、昨年7月25日に後楽園ホールで行ったジャガーのデビュー46周年&61歳誕生日大会後の家族会議だった。

 大維志さん(以下・大)「去年、ジャガーさんの自主興行があった時にジャガーさんを交えて父と家族3人で頻繁に反省点とか『ここをこうしたらもっとよくなるよね』とか話し合いました。その中で僕の中で『こういうところをもっとよくしたらお客さんをもっと楽しませられる』とか改善点が何個かあったんです。そういう部分を絞ってジャガーさんに持って行きました。そこでジャガーさんからOKをいただいたのでプロデュースをやらせていただくことになりました」

 大維志さんが感じた反省点は、大きく分けて2つだった。

 大「まず入場がシンプルだなと感じました。それと試合が、例えばハードコアマッチがなかったり普通の試合ばかりで他の大会と大きな違いは見られないと思いました。ですから、今回は別々のスタイル、種類、形式の試合を提案しました。そこを自分としては、今回、プロデューサーとして力を入れました。特に僕が15年以上、ジャガーさんの試合を見てきたなかで、こういう試合を見たことないなとか、ジャガーさんが個人的に嫌でもなかなか見られない試合があると思いました。ですから、そういう対戦カード、プロレスのスタイルを自分で考えて今回、組ませていただきました」

 プロデュースした全5試合は、女子の試合、男子のタッグマッチ、3WAYマッチなど種類の異なる全5試合がラインアップされた。中でも大維志さんが「どうしても見せたかった」試合が「ハードコアマッチ」だった。第3試合に世羅りさ、藤田あかね、佐々木貴 vs ドレイク森松、夏実もち、葛西純の「ハードコア」が組まれたが、実は、当初はジャガーにトライしてもらうことを要望したという。

 大「僕自身、刺激的なものを自分の人生に求めていますし、それは多くの方々もそうなんじゃないかなと思うんです。その部分でハードコアは刺激がありますし、ジャガーさんの自主興行では、これまでハードコアは見られなかったので、そこが新鮮だなと感じたんです。そこで、ジャガーさんに『ハードコアをやって欲しい』と話をしたんですけど、断られました。還暦を超えた人がハードコアにチャレンジした人は、世界的にもあまりいないですし『後にも先にもこれだけのレスラーはいないですから絶対にやって欲しい』と訴えたんですが、ジャガーさん的にはNGでした」

 息子の要望を断った理由をジャガーは、こう説いた。

 ジャガー(以下・ジ)「いろんな種類の試合がある興行をやるのに、わざわざ私が『ハードコアをやらなくてもいいでしょ』っていうことです。ハードコアが嫌いとかできないとかではなくて、実際に一度やったこともあります(2016年2月17日、新木場1st Ring)。ハードコアは何でもありなのでこの年数をやっていたらそういう経験も必要だと思います。ただ、私の基本はナチュラルなプロレスです。今回は自分の興行でもあるので、一番自分が表現できる普通のノーマルな試合をやりたかった。ハードコアに対してどうのこうのとかじゃなくて、そういう意味で今回、私がハードコアをやらなくてもいいでしょ、ということです」

 母と息子の話し合いの末にジャガーは、メインイベントでアジャコングと組んで尾崎魔弓、井上京子と対戦する女子プロレスのレジェンドマッチに決定した。その後、さらに熟考を重ね、ジャガー、アジャにフリーのSUGI、尾崎、京子にZERO1のアストロマンを加え、男女ミクスド6人タッグとなった。自身のハードコアを辞退したジャガーだが大維志さんが熱望したハードコアマッチの実施は認めた。

 ジ「息子からこれまでの私の自主興行で『一番やらなかった試合がハードコアだよね』と言われたんです。そう言われると自分の中で『確かにそうなのかな?』と考えました。息子は毎日のようにプロレスを内側から見てきた人間で、その視線からそう言われるとハードコアもひとつの試合形式として認められているわけで『今の時代ありなのかな』と思ってヨシとしました。そこは、私だけで企画するとどうしても考えが偏ってしまうので、息子の意見は貴重でした。ただ、参戦する選手は私が決めています。そこまで彼に権利はありません。息子はあくまでも『こんな試合をやって欲しい』という提案という部分でのプロデュースです。それでハードコアをやるんですが『普通の試合が後にあるから、絶対に蛍光灯とかガラスが出るのはダメ』とは言いました。それは、万が一、ガラスの破片とかがリングに残ったら他の試合でケガをするとか迷惑をかけるかもしれませんから。そこは強く言いました」

 自らの熱意が通じたハードコアマッチに大維志さんは、好試合を確信している。

 大「ジャガーさんに承諾していただけるまでは難しかったですし、今回、ジャガーさんの大会で初めてのハードコアになるのでどうなるかは未知数ですけど、いい選手ばかりなので、必ずいい試合になると思います」

 そして、まだ諦めていない思いがある

 大「ジャガーさんにいつかは、ハードコアをやって欲しい。7年前の新木場で見たんですが、それ以降は一回もないんで、また一回みたいんです」

(続く)

 7・18後楽園全カード

 ▼メインイベント6人タッグマッチ60分1本勝負

ジャガー横田、アジャコング、SUGI vs 尾崎魔弓、井上京子、アストロマン

 ▼スペシャル3WAYマッチ45分1本勝負

Sareee vs 朱崇花 vs ウナギ・サヤカ

 ▼ハードコア6人タッグマッチ60分1本勝負

世羅りさ、藤田あかね、佐々木貴 vs ドレイク森松、夏実もち、葛西純

 ▼タッグマッチ30分1本勝負

間下隼人、日高郁人、阿部史典 vs 北村彰基、馬場拓海、朱鷺裕基

 ▼ディアナ6人タッグマッチ30分1本勝負

佐藤綾子、マドレーヌ、美蘭 vs ななみ、デボラ、Himiko

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