コミックナタリー Power Push - 「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」

竹内順子が語る、「今まで」「これから」のナルト

ナルトはずっと「ひとりじゃない」って思ってる

──8月公開の新作映画「BORUTO -NARUTO THE MOVIE-」では、さらにナルトは火影となり、父親となっています。そこでまた演じ方に違いは生まれましたか?

映画「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」より。

そうですね、役職というか、役割が変わっているので。責任を負うことを厭わない人になった。子供の頃って例えば下忍でとある仕事をしているときでも、プライベートでラーメンを食べてるときでも、カカシ先生への対応は変わらないと思うんですよね。だけど、大人になればなるほど、プライベートと仕事の自分って分けるものじゃないですか。同じカカシ先生に対する態度も、プライベートのときは砕けるけど、火影の仕事をしているときは抑制をかけてしゃべっていると思うんです。たぶん、大人ってみんなそうだと思うんですけど。それが今回は明確にあるなと思いました。

──火影と父親のナルトもまた、違うしゃべり方になりそうです。

竹内順子。

ナルトとボルトは、父親と子供っていうよりも、男同士って感じがしましたね。娘のヒマワリと絡んだときのほうが、父親感を感じるだろうなと思いました。やっぱり、同性同士って友達っぽくなりませんか?

──ええ、母親と娘だったら友達のように接したりしますよね。

そうそう。たまにはライバルだったり、気に食わない人になったり、好きだったり。なのに、お母さんだったり。そういうのと同じ感覚で、ボルトもナルトのことが父親だということをわかってるし、ライバルというか気に食わない人だと思うし。ナルトのことを男として見てるんだなっていうのをボルトから強く感じました。ナルトも、年齢が上がったからといって、人ってそんなに変わらないと思うんですよ。10歳のとき、30歳とか40歳ってすごく大人だなって思ったのに、自分がなってみたら、全然大人じゃないから(笑)。ってことは、きっとナルトも同じ。12歳のナルトが「自分が結婚したらすげえ大人になるんだろうなと思ったのに、全然なってない」って思ってんじゃないかなって。あんまりうまくいってないのも、いつものナルトっぽいですよね。

映画「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」より。

──ナルトの芯の部分って、どういうところだと思われますか。

「ひとりじゃない」って思っているところですかね。

──「ひとりじゃない」。子供の頃のナルトはひとりぼっちだと思っていたけれど、そう思えるようになった?

いや、根底からひとりじゃないって思っていると思います。もともとひとりだってわかってるなら、人とは関わらないと思うんですよね。関わって、あれだけ蔑まれている空気の中でも人に構ってもらおうとしているということは、「ひとりじゃない」ってどこかで強く思っているから。ナルトと魂がつながっているのは(大筒木)アシュラですが、あの人も「ひとりじゃない」というのを体現し、大事にしていた人ですよね。だとしたら、ナルトもそうじゃないかと思うんです。

火影岩の後ろにそびえ立つビル群がすべてを象徴している

──映画と平行してTVシリーズも進んでいるわけですが、その切り替えは大変だったりしますか?

すごく違和感があります。TVシリーズでは今、忍界大戦のまっただ中ですが、「THE LAST」はその2年後なので。まったく心持ちが違うと思うんですね。「BORUTO」なんてもう全然わからないですね。「BORUTO」を収録した後にTVシリーズに戻ると、「んん?」って戸惑います。例えば「BORUTO」をやっているとき、ナルトはボルトに対して「甘えてくれよ」って思っている。そういう根幹の感情だけが残っている状態でTVシリーズに戻ると、「甘えてくれよ」って誰に?って混乱します。じゃなくて、今のナルトは「守りたい」だよねって。同じナルトの器なのに違うことを入れる、っていうので迷っちゃうんですね。

竹内順子

──時代があちこちにいくと、同時進行は大変そうですね、では「BORUTO」の見どころも伺えますか。

まず面白いのは、環境が変わっているところです。戦いがなくなって、いろんな発展があるんですよね。例えばスマホとかゲームを持ってるとか。

──ジャンプで連載された外伝「七代目火影と緋色の花つ月」を読んでも、火影になったナルトがパソコンで仕事しているところにびっくりしました。

インターネットが発達しているっていうことは、何を諜報活動するんだっていう(笑)。それに、火影岩の後ろにそびえ立つビル群、あれがすべてを象徴している気がしますね。そういう世界の中で、忍という役職、仕事そのものがどうなっていくんだろうって思います。もしかしたら過渡期なんじゃないかと。そんな中でボルトくんと仲間たちがいろんなことを考えて繰り広げていく、という映画ですね。なので見どころは、まずは環境。次にそこで生きている少年たちがどう思っているかってところでしょうか。

「ナルトくん偉い! ナイス!」

──8月には舞台版「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』」のDVDも発売されます。ご覧になられていかがでしたか?

「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』」キービジュアル

役者さんの体力がすごいなと、ホント思いました。ナルトくんもサスケくんも、とにかく動きのキレがよくて。あれだけ動きまわって、最後の最後、絶対疲れきってると思うんですけど笑顔で、「ナルトくん偉い! ナイス!」って思いました。ナルトくんは陽のパワーで動いている気がして、見ていて明るい気持ちになるし。一方でサスケくんはキメるところのカッコよさがあって。キャラクターに合わせているのか、ご本人たちの色をそのまま出しているのか、私にはわからないですけど、でも「あ、すごい! 合ってる!」って思いました。

──最後に、ナルトを演じられた松岡広大さんにメッセージをお願いします。

3Dとかではなくて、人間がナルトを演じて、しかもそれがナルトだって見てる全員が思うであろう演技を最後まで頑張ってくださったことを、いち観客として「すごい!」って思います。

次回は舞台ナルト役・松岡広大が登場!

Blu-ray / DVD「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」/ 2015年7月22日発売 / アニプレックス
Blu-ray / DVD「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」
完全生産限定版 [Blu-ray Disc] 6480円 / ANZX-11371
完全生産限定版 [DVD]5400円 / ANZB-11371
通常盤 [Blu-ray Disc]5400円 / ANSX-11371
通常盤 [DVD]4320円 / ANSB-11371
完全生産限定版特典
  • 録り下ろしドラマCD「THE HOST -NARUTO THE CD-」
  • キャラクターソングCD「冬の終わりに」日向ヒナタ(CV:水樹奈々)「いつの日にも」うずまきナルト(CV:竹内順子)
  • 西尾鉄也描き下ろしデジパック仕様
  • 特選三方背BOX
  • スペシャルブックレット
  • 特典ステッカー
DVD「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」/ 2015年8月26日発売 / アニプレックス
DVD「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」
初回仕様限定 [DVD2枚組] 8640円 / ANSB-10015~6
アニメイト限定版 [DVD2枚組] 9180円
収録内容
  1. 本編DVD
  2. 特典ディスク(バックステージ映像など)
特典内容
  • <初回仕様限定/アニメイト限定版共通>
    三方背ケース、デジジャケット、48P特製ブックレット
  • <アニメイト限定版>
    アニメイト限定版は特典映像DVD付き
  • ※特典の内容・仕様は予告なく変更になる場合があります。
竹内順子(タケウチジュンコ)
竹内順子

4月5日、埼玉県生まれ。声優。最近の出演作に、TVアニメ「ポケットモンスター THE ORIGIN」(レッド役)、「おかしなガムボール」(ガムボール役)、「レディ ジュエルペット」(タータ役)、劇場アニメ「イナズマイレブン 超次元ドリームマッチ」(円堂守、円堂カノン役)、「ゆうとくんがいく」(ゆうと役)など。


2015年8月26日更新