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【独自】ギネス世界記録、ジャニー喜多川氏の記録について回答する

松谷創一郎ジャーナリスト
"Guinness World Records 2012"(2011年)より

 ジャニー喜多川氏が持つ複数のギネス世界記録について、ギネスワールドレコーズ社(以下、GWR社)は記録についてのポリシーを示した。

  ジャニーズ事務所の創業者で2019年に亡くなったジャニー喜多川氏は、「もっとも多くのコンサートをプロデュースした人物」や「もっとも第1位のシングル曲をプロデュースした人物」として2010年にギネス世界記録に認定されている。

 4月4日、筆者はイギリスに本社を置くGWR社に対し、BBCによるジャニー喜多川氏の性加害報道(3月7日)を説明したうえで、その記録の是非について以下の内容の質問をメールで送った。

  1. ギネス世界記録に認定されている者が、犯罪や犯罪に類する行為を行っていたことが発覚した場合、これまでどのような対処をしてきたのでしょうか? あるいは規約上、どのように処理すると明記されているのでしょうか。
  2. もし犯罪や犯罪に類する行為によってギネス世界記録が成立していたとするならば、それでも世界記録を認定するのでしょうか?
  3. ジョニー喜多川氏のケースは、今後どのように扱うのでしょうか? ギネス世界記録をこのまま維持し続けることの議論はなされるのでしょうか?(以上、原文は英文)

 これに対し、4月10日にGWR社は以下のように回答した。

ギネスワールドレコーズでは、記録保持者が我々が大切にする価値観を侵害したり、犯罪で有罪判決を受けた場合などに対処する、様々なインターナルポリシーが存在します。それらのポリシーの中には、記録の削除の可能性も含まれております。

Guinness World Records internal policies detail a range of actions we will consider where a record-holder has, for example, contravened our values, or been convicted of an offence. These actions include the potential removal of awarded record titles.

ギネスワールドレコーズ社、2023年4月10日(日文・英文併記)

 この回答は筆者の質問の1に応答するものではあるが、2と3についての回答は見られなかった。そこで同日の10日、再度GWR社に質問をしたが3週間近く経った現在も回答はない。

 GWR社の記録についてのポリシーは、以下のページから確認でき、そこには違法行為についての項目もある。

・Record policies: Guinness World Recordsオフィシャルサイト

 こうしたGWR社の回答は、個別の記録に対しての言及を避けているものの、今後の「削除の可能性」にも含みを持たせており、状況の推移を見守る態度だと見られる。

 なお現在も同社のホームページには、前述したジャニー喜多川氏の2つのギネス世界記録は掲載されたままとなっている。

 今後、これらの記録がどのように扱われるかが注目される。

ギネス世界記録オフィシャルサイト「もっとも多くのコンサートをプロデュースした人物」より(2023年4月30日確認)。
ギネス世界記録オフィシャルサイト「もっとも多くのコンサートをプロデュースした人物」より(2023年4月30日確認)。

ジャーナリスト

まつたにそういちろう/1974年生まれ、広島市出身。専門は文化社会学、社会情報学。映画、音楽、テレビ、ファッション、スポーツ、社会現象、ネットなど、文化やメディアについて執筆。著書に『ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争』(2012年)、『SMAPはなぜ解散したのか』(2017年)、共著に『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学』(2017年)、『文化社会学の視座』(2008年)、『どこか〈問題化〉される若者たち』(2008年)など。現在、NHKラジオ第1『Nらじ』にレギュラー出演中。中央大学大学院文学研究科社会情報学専攻博士後期課程単位取得退学。 trickflesh@gmail.com

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