11月7日に名工大で初めての鈴木禎次賞の表彰式が行われた。鈴木禎次とは名工大の前身である名古屋高等工業学校の教授の名前だ。彼について同賞の審査員幹事を務めた若山滋教授(建築デザイン工)に尋ねた。
鈴木氏は東海地方で初めて本格的な洋風建築を設計した。クラシック、アールヌーボー、初期モダニズムまでのヨーロッパ形式の建物を数多く手掛けた。若山教授曰く、「様々な形式を手掛け、多くの建物が世に認められているのはすばらしい」とのこと。
鈴木氏が手掛けた建物は旧名古屋銀行や旧横浜松坂屋などがある。名工大の近くにも、鈴木氏の建築物を見ることができる。鶴舞公園の噴水や奏楽堂である。噴水はクラシック様式でドリス式の柱とエンタープラチャーが特徴である。奏楽堂はアールヌーボー様式が入っていて鋳鉄で音符を表している。
鈴木氏は夏目漱石の義理の弟でもある。夏目漱石著書『三四郎』で名古屋が出てくるのもそのためだ。
最後に若山教授はこう語った。「噴水、奏楽堂、そして私が手掛けた名工大の正門、名工大の周りのすばらしい建物だ」
時にはじっくり建物を見ながら、街を散策するのもいいかもしれない。
名工大の巨匠 鈴木禎次教授
2009年12月 投稿者: NitechPress