オオベニアミの2種

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 ロフォガスター甲殻類です。
 昔から見てみたかった甲殻類です。決して希少種ということではないですが、中・深層浮遊性甲殻類って、一般的にはお目にかかること非常に稀です。

 1種目はGnathophausia gigas Willemoes-Suhm, 1875です。和名はありません。
 体長140mmに達する大型腫です。
 “gigas”っていうと、大きいっていう意味ですが、G. ingens (Dohrn, 1870) オオベニアミという種類のほうが大型です。350mmに達するそうです。
 写真はまだ若い個体です。成長すると、背甲後縁の側棘や背棘が短くなります。
 世界的に分布する、中・深層浮遊性甲殻類で、大型プランクトンネットで水深500m程度を曳網することにより、比較的普通に採集されるようです。


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 次はGnathophausia longispina G.O.Sars, 1884ハリナガオオベニアミです。
 東シナ海の水深400~700mくらいのプランクトンサンプル中でよく見掛けます。きっと現存量が多いのでしょう。
 図鑑には、トロールで大量に採集されることから、底生性の可能性が示唆されています。
 生鮮時(生きているとき)は、体色は白く、頭部のみが赤いそうです。
 分布は世界的。


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 ロフォガスター目は、従来アミ目の1亜目でしたが、最近では目として扱う見解が主流になりつつあるようです。当サイトはMartin & Davis(2001)に従っていますので、「ロフォガスター目」として扱います。
 日本近海からは2科38種が知られるようです。Gnathophausia gigasとG. ingensは、Neognathophausiaとする意見もあるそうです。




[参考文献]
1)村野正昭.1997.アミ目.In千原光雄・村野正昭編,日本産海洋プランクトン検索図説.pp.xiv, 1010-1084.東海大学出版会,東京.