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【取材した奇談27】謎の千円札

※奇談=怪談以外の珍しく奇妙な実体験談。人が怖い話など。
私の定義

「お、ムーンハイツさん待ってたよ。見せたいものがあるんだけど」

ある日の夕刻に行きつけの飲食店のドアを開けてすぐ、店主からこう言われた。
で、見せてもらったものがコチラ。
2021年9月ごろ、お客さんが会計時に使用した一枚の千円札とのこと。

右下に文字が印刷されている。お札は少し硬くなっていた。

店主は私が怪談・奇談収集しているのを知っているので、この奇妙なお札を私に見せるために保管してくれていた。一度、店主は誤ってコンビニの自動精算機に投入してしまったらしいが、運良く(?)機械に弾かれて手元に戻ってきたそうだ。

文字部分を拡大したものがコチラ。

お札には、こう印字されている。

『検事13名が司法書士試験の合格者を書き換えて犯罪をしてます。国会議員総務官が間違いを指摘しており新聞にも2度間違いが掲載してますが犯罪継続してます。法務省がこの出題ミスを直して救済措置をしたと返答した録音もあります。法務省に電話をして検事達の犯罪をやめさせてください。助けて下さい』

店主がインターネットで調べたところ、同様のお札に関する記事・投稿が複数見受けられたという。私のほうでも調べると、印字した実行者が判明した。実行者は『きしけん』と名乗る四十代男性。大量の千円札にインクジェットプリンタで印刷して流通させたそうだ。動機を簡潔に述べると、「自ら受験した司法書士試験で出題ミスがあり、それが原因で不合格になったから不服」ということ。

この「印字千円札」は2020年初めぐらいから流通しており、すでにオカルト評論家の山口敏太郎氏が本人に電話取材している。

インターネットで調べたところ、印字にも幾つかのパターンがある。
上記写真のように右隅に4行のものの他、お札の下部分全域にわたって2行のものや、赤文字のものもある。

なお、紙幣に文字を印刷することは犯罪ではないらしい。お札は誰も捨てないし、人から人に渡っていくため宣伝媒体として機能し得る点に目をつけた模様。

このような印字された紙幣は、銀行で無傷のお札と交換してもらえる。
ちなみに店主から、この千円札を譲ってもらった(通常の千円札と交換してもらった)。

上記の事情を全く知らない状態で「印字お札」を見ると、ギョッとするよね・・・

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