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「マジでボッコボコにされた」62歳ジャガー横田ら“全女レジェンド”がスターライト・キッドに与えた“学び”「負けたのは悔しいけど…」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2023/08/24 17:02

「マジでボッコボコにされた」62歳ジャガー横田ら“全女レジェンド”がスターライト・キッドに与えた“学び”「負けたのは悔しいけど…」<Number Web> photograph by Essei Hara

8月19日、大田区総合体育館。ジャガー横田、高橋奈七永、中西百重という“全女レジェンド”たちに敗れ、悔しさをあらわにするスターライト・キッド

 横田は言葉を選んで続けた。

「(高橋は)当時は組む間柄ではない教え子ですから、そういう意味では私からしてみれば夢の一戦でしょうね。あの2人(高橋と中西)が頑張っていたのを見ていましたので、それは素晴らしい。即席で組んでもやっぱりやるときはやるんだなという意味では、一流レスラーはブランクがあっても関係ないなと思いました。(これからも)頑張っているところには上がって、ぜひチャレンジしたい」

 確かに、いつものスターダムの会場とは雰囲気が違った。見渡したところ、観客の平均年齢はいつもより高かったように見えた。高橋がリングで「ナナモモのタッグ見たことある人?」と問いかけると多くの手が上がった。「そんなにいるの」と高橋も驚いていた。普段はスターダムに足を運ばないファンが、“お祭り”らしく越境してきたのだろう。

悔しさにまみれたスターライト・キッド

 一方、せっかくのメインイベントなのに、またしてもキッドは悔しさの中にいた。

「お前に感謝しなくちゃいけないなあ」と高橋に言われて、両手を挙げられても、受け入れるわけにはいかなかった。キッドは両手を振りほどいた。

 高橋を倒して、自ら拳を突き上げたいという欲求が冷めることはない。まるで7月2日の「パッション注入マッチ」のデジャブのようにリングに這いつくばるキッドの姿があった。マスク越しに悔しさをいっぱいにじませている。それでも、キッドには、「ここから這い上がっていく」という強い意思が感じられた。

 全女をテレビで見て育ったキッドが、全女を生で体感した。こんなめぐり合わせを誰が想像できただろうか。ナナモモはさておき、62歳の横田はキッドが生まれるよりもかなり以前に活躍していたのだから。

 この日、8人タッグマッチに登場したやはり62歳のダンプ松本はZAP、刀羅ナツコ、琉悪夏と組んで、井上京子、林下詩美、AZM、天咲光由を相手に大暴れした。21歳の天咲は毒霧まで浴びて本物の「極悪」に遭遇してしまった。ダンプはスターダム参戦まで口にしていた。

 壮観な“お祭り”を終えて、高橋はこんなことを言った。

「いろんな世代が出た大会なわけですが、もしかしたら今日この大会があるのはキッド、オマエのおかげかもしれない。だから、お礼を言わないといけないのかもしれない」

 それに対して、キッドはこう返した。

「お礼なんて、これっぽっちもいらねえんだよ! 私は、奈七永に何度負けようが心は決して折れてない。さっき手を取られたけどな、私が奈七永の目の前で拳を突き上げるのは、私が奈七永に勝ったときだ。必ず自分の力で勝って、奈七永を見下しながら拳を突き上げてやるからよ。私と何度でも戦え。覚えときやがれ」

【次ページ】 「マジで痛いし、ボッコボコだけど…」

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