【スイス最高峰】Monte Rosa(モンテローザ)4634mの登山に挑戦
モンテローザ(Monte Rosa)
↑ウィキペディアより引用
・登山拠点
スイス ツェルマット(Zermatt)
・標高
4634m
・ルート
ノーマルルート(モンテローザ小屋ルート)
・シカ男的難易度
★★★★★★★☆☆☆
トレーニングと高度順応と氷河の経験は必須
・登山スタイル
意気込みは単独雪山登山(途中からペアクライマーのロープに参加)
・登山日数
二泊三日(最初は一泊二日予定だった)
・装備品
日本での厳冬期登山の装備
下降用にロープ20m〜30m
食料2日分と行動食(山小屋の料金に晩飯と朝食が含まれているので持って上がった食料は少なめ)
・かかった費用
モンテローザ小屋 95CHF
小屋でビール 20CHF (小グラス5CHF)
山岳鉄道 88CHF (下山は歩いたため24CHF返金)
食料 10CHF
計189CHF (約2万円)
・モンテローザ登山について
ツェルマットと言えばマッターホルン!
マッターホルンのインパクトが強すぎてあまり知られていませんが、スイスの最高峰モンテローザ山の登山拠点もツェルマットなのです!
両山とも登山許可などは不要
モンブランもそうでしたがここツェルマットもほとんど英語が通じます
ツェルマットの町にはミレーやマムートなどアウトドアショップが軒を連ねていますので、お金に糸目をつけぬなら手ぶらで来ても登山の装備は全て揃います、
そして何とmont-bell(モンベル)も店舗を構えています、ツェルマット限定商品も多数あるのでモンベルファン(モンベラー)は是非!
↑モンベアーが出迎えてくれます
↑マッターホルンとエーデルワイスの限定ステッカー
↑モンベルのロゴにエーデルワイスが!
さて、
登山のスタート地点はツェルマットから山岳鉄道に乗り、終点1つ手前の駅「Rotenboden」で下車して歩き始めます、他にもルートはあるがこの駅から歩き始めるのがセオリーらしいです、運賃は片道44CHFで往復割引は無いのでひとまず片道だけ買えば良い、下りは列車内で支払えます。
そして、ツェルマット付近の山々は国立公園でキャンプが禁止されているので山小屋の予約が必須です、一泊2日で登る人もいますが、かなり長い行程になるのでできれば山小屋に2泊することをお勧めします、スイスの山小屋は高いだけあり超快適です!(一泊95CHF)
モンテローザ小屋の予約はこちら↓
monte rosa hütte - Section Monte Rosa
鉄道駅からモンテローザ小屋までにはルートが2つあり最近は「パノラマルート」と呼ばれる氷河の高い位置を歩くルートが主流なようです、
私シカ男は行きと帰りで違うルートを歩きましたがどちらの氷河も凶悪です、
昨年(2018年)に10代の日本人登山家?がこのパノラマルート氷河のクレバスに落ちて無くなったそうです、山岳管理局で救助の際の写真を見せてもらいましたがクレバスの中は想像以上に狭くツルツルな氷で、落ちたら助かりませんね。
↑見せてもらったクレバスで救助活動中の写真
そんな事前情報もあり、かなり緊張しましたがどちらもルートに目印があるので慎重に歩けば一人で行けないことはないでしょう、私シカ俺は帰りの氷河歩行が全て終わった時不覚にも少しチビっていました、次回は成人用オムツかハルンケアを用意します。
他のブログに「歩け歩けな山でした」と簡単そうな表現がありましたが全然違います、確かに歩行距離は長いですがそのブログの主は相当なツワモノか物凄く良いガイドに当たり危険を感じなかったのでしょう、
シカ男的判断ではソロ登山はやめた方がいです、そしてモンテローザは軽い気持ちで登れる簡単な山ではありません。
最低でも雪山とロープワークに慣れたペア、又はガイド登山
現地で山岳ガイドが約25万円で手配出来ます(多分山小屋込みのツアー)、高いか安いかは考え方次第!
死ぬよりいいでしょう。
↑ツェルマットのアルパインインフォメーション、ここで山の状況やガイドの情報が聞けます(ちなみにマッターホルンはガイドと登山諸費用で1人約20万くらいでした)
さて今回、駅からモンテローザ小屋までは4時間半
翌日モンテローザ小屋から山頂へは7時間かかりました、
小屋まで下りは4時間半です、そして小屋から駅まで約4時間でした!
道中には、氷河に口を開けるクレバスの回避、脆いスノーブリッジ、山頂付近の半ば登攀の様な岩場、ロープで安全確保しての下降、落ちたら終わりなナイフリッジ、難所は多々あります。
しかし、安全に登れればこの山はテクニカルでとても面白いです、そして美しい景色があなたを待っています!!
※ここからはただの山絵日記です、興味あるかたは是非
〜 1日目〜
朝8時の受付と同時に山小屋に予約を確認、前日の予約で不安だったがちゃんと取れていたので一安心。
↑相棒は駅の横の駐輪場に、駅員いわく「1週間駐めてても誰もとらねーよ」スイスは安全だな
↑山岳鉄道の切符を購入、往復を買いましたが失敗です。
↑車窓からマッターホルンが見える、最高の天気だ、まるで映画のスクリーンを見ているよう
↑終点1つ手前の駅で降りるから要注意ですよ!終点まで行っちゃダメ
↑指で指している山がモンテローザ!遠いぃぃ!
↑さて、歩く前に腹ごしらえ、ミニパイでミニ喝を入れた!
こんな道を3km行くと氷河に出る
↑途中までは看板もありわかりやすい
↑モンテローザ名物の垂直ハシゴ!
これで氷河取り付きに降りて行く
↑え、壊れてますけど!? 氷河取り付きの核心部、ハシゴは無視して岩場に沿って少し降りると安全に取り付ける
↑小屋までのアプローチも楽じゃないな、汚いクレバス
あぁ、ザイルパートナーが欲しい
↑氷河上の安全地帯で休憩、緊張で笑えない
↑約1時間の氷河歩きが終わった、怖や怖や
↑氷河湖で一休み、変わった色だ
↑氷河水珈琲、なんて贅沢なひととき(愛用のバーナーは信頼のSoto ウィンドマスター)
↑右上にある近未来的建物がモンテローザ小屋、いきなりメタル調だなぁ
↑中はウッディ!ドミトリーだがとても素敵な雰囲気
↑小屋のウッドデッキでくつろぐハイカー達、大体はこの小屋に一泊して町に戻るツアー
ディナー前に明日のルート確認のために30分程登った、海外登山ではこの確認が非常に大切なのだ、
明日は早朝3時からアタック開始、暗い中を歩くので下見するとしないとでは大違い!
さてさて、18時30分
お楽しみディナーの時間が来ました!
↑相席だったのはこの陽気な2人、オーストリア人
彼らは明日降りるから2人でビールを飲み続けていた
↑スープから始まり
↑サラダ、少ないよ〜
↑メインディッシュはライスの上に肉!疲れているので濃い味だったが気にならなかった
↑デザートのレモンムース、旨い〜もっとくれ〜
納得の内容なディナーでした、満腹ぢゃ
(ディナー料金は宿代に含まれています)
↑何やらドイツ語で話している、わからんからビールを呑んでいよう
↑同じプロトレックの時計でもりあ盛り上がった
さて、一杯呑んだし寝ませう
明日は行けるところま登り
危険を感じたらすぐに降りよう
死にたくないのだ。
〜2日目〜
アタックする人達の朝食は2時30分と決まっている、準備万端で一斉に「頂きます!」
↑ブッフェ方式で食べ放題
↑ジュースとヨーグルト、そしてスイスチーズ、皆んなこっそりジップロックに入れていて笑った
↑暖かい紅茶もテルモスに
さて、月明かりの下テクテクと歩きます、
今日はシカ男以外に5チーム、
皆歩くのが早い早い!
暗い中での1人でアイスフォール帯は冷や汗ものでした、
↑ようやく明るくなってきた
↑雪歩きは得意なシカ男、先行パーティに追いついた!
「お前ソロか!?丁度いい、サポートでロープに入れ!その方が安全だ!!」
何と幸運!
大クレバスが出たら引き返そうと思っていたが、その前にスイス人と中国人のペアチームに参入できた!!
ロープを繋げばこっちのもんだ、
大クレバスも岩場の難所もナイフリッジも割と安心して歩けた、ヒーヒー言いながらね。
↑この2人がいなければ登頂は諦めていたでしょう
↑ありがとう、スイス最高峰の頂きに立たせてもらいました!
↑山頂にあった何か、三角点かな?
↑これが山頂へ向かう道
↑ナイフリッジ
↑落ちたくないね〜
↑スイスの彼がリッジで休む、渋すぎる!
↑これが大クレバス、ちょこんとあるスノーブリッジを渡る、深さは底知れない、、、
↑下りも長かった〜
↑アタックルートでの氷河取り付きは優しい
↑返って来ました山小屋へ!
感謝の気持ちで飲み物をご馳走
シカ男「何か飲みますか?」
2人「ビール!」
こ、この2人つ、つおい
2人は荷物をまとめ「明日仕事があるから!」と駅までの長い道のりをスタコラ降りて行きました、つ、つおい!
最後に三人で抱き合った時なんとも言えない感謝と充実感がこみ上げてきた。↑シカ男は脚が限界に近く、2時間ほど山小屋で気絶仮眠。
↑そして、えっちらおっちらと歩き出す、来た道とは違う「パノラマルート」で
↑アチャー、めっちゃ氷河歩くぢゃないの!
核心部はあまりの緊張で写真撮れず、漏らしながらヒーヒー下りました
↑氷河を抜け安全地帯で休憩、こりゃ最終列車は間に合わないな、現時点で19時25分 残り3km (終電は19時30分)
あ〜ぁ、テントも寝袋も無いや、ビバークだな、
近くにビジネスホテルでもないものか。
ま、ビバークエンジョイだ!
↑フランスで知り合った日本人登山家に頂いた山食に救われる、持っていて良かった〜
トモさんありがとう!
〜3日目〜
昨日の夜から雲行きが怪しくて心配だったが朝までに雲は消えて天気は今日も最高!
気温もあまり下がらずに2800m付近でビバークしていたが服を着込んで十分眠れた(シカ男は寒さに耐えるため修行をしています、良い子のみんなは真似しないでね)
山岳鉄道の切符はもう買ってしまっていたがあまりにも気持ちが良いのでビバークしていた駅からゆっくりと歩き約4時間かけてツェルマットの町に戻った、期待していなかったが下山後に駅で切符の払い戻しが出来た、20CHF手数料を取られたが24CHF返って来た、半分でも返金があって良かった。ビールを買おう!
皆さま往復で買っちゃダメョ
↑一人ツェルマットで祝杯のビール、旨いっ!
そしてシカ男、文句なしの満身創痍だ!
我ながら良く歩いた
↑駅に置いていた相棒も無事、カバーはかけていましたが心配だった
登山に使った道具の整理と清掃したが眠くて眠くてキャンプ場の芝生で小一時間ほど寝ていた、
これが有名な気絶仮眠だ。
↑もう四年の付き合いGoroの「エグリー」オイルで綺麗に磨く
さてさて、ようやく安心して眠れる、
最後まで読んでくれてありがとうございます!
それでは皆さまおやすみなさい。
↑最後に街からのマッターホルン
・目民・