脚本に書かれていないことを自分なりに考える
――10代でデビューして約15年たちましたが、芝居に対する意識は変わってきましたか?
デビューしたばかりの頃はがむしゃらにセリフを覚えて、自分の感情を全て吐き出すような感じでした。それからいろいろな作品に出演して、先輩や同世代、後輩の役者さんたちとお仕事をする中で役の向き合い方を学んだような気がします。
もっともっと演じるということを大切にしたいと思うようになりました。
――説明しにくいかもしれませんが、「役と向き合う」ということを言葉で表すとしたら?
役をどこまで掘り下げられるのか。それが、役と向き合うことなのかなと思っています。どういう気持ちでこのセリフを言っているのか、なぜこのシーンがあるのか。脚本に書かれていないことを自分なりに考えたりしています。
――今後こういう役者になりたいという目標は?
将来というよりは、今演じられる役をがむしゃらに頑張りたいと思っています。
――中国語や韓国語など、語学の勉強にも積極的に取り組んでいますよね。
今は定期的にレッスンを受けているわけではないですけど、それぞれの国のドラマやバラエティー番組を見たりして、常に言葉に触れることができる環境を作るようにしています。
言葉を勉強したことで日中合作の作品や台湾のドラマに出演することができて仕事の幅が広がりましたし、中国や韓国の友達も増えました。いろいろな考え方や文化の違いを知る機会が多いので話をしていて楽しいです。
所作や細かい感情をゲームで表せたら
――チャレンジといえば、発売中の実写ゲームソフト「春ゆきてレトロチカ」では主演を務めていますね。
ゲームでの実写というのは、昨今なかなかないことだとプロデューサーの方から聞いていて、そして今回は大正・昭和・令和と、3つの時代の日本が舞台ということなのでお着物を着た時の所作や細かい感情をゲームで表せたらいいなと思いました。
――実写ということは映画やドラマと同じ撮り方だったんですか?
同じでした。ただ、謎解きもののゲームなので(選択肢を)A・B・C・Dみたいにいろいろなパターンを撮ったのでシーン数が多かったです。
――着物は時代劇で慣れていますよね?
お着物を着た時の所作は楽しくできました。今回はちょっとカジュアルな現代風のお着物なので、若い人にも楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。とてもかわいいし、このゲームは世界中で発売されるそうなので、いろいろな国の人たちに日本の文化を知ってほしいです。
――最近「Nintendo Switch」にハマっているそうですが…?
はい、ハマっています(笑)。小さい頃に好きだったマリオブラザーズをやっています。もう全部クリアしたので、そろそろ新しいゲームをやろうかなと。
「春ゆきてレトロチカ」はSwitchにも対応していますし、台本を読んで答えを知っているはずなのにすごく難しくて。最後までクリアしたらストーリーが完成するので、これからプレイされる方にはぜひ最後まで諦めずに頑張ってほしいです。