おなじみbounce.comの小さな部屋『ダンディ食堂(DANDY SHOCK-DO!!!!)』にようこそ。今回は日本最高のロック・バンドかつライヴ・バンド、みなさんお待ちかねのニューアルバム(2年3ヶ月ぶり!)も間もなく到着!!!!!!! というゆらゆら帝国の坂本慎太郎さんをお迎えしました。当コーナーホスト太田さんも前ノメリ気味でなにやらディープな音楽トークになりそうな予感……。早速!
太田:今聴き直すといいアルバムってありますよね。僕こないだジェフ・ベックにハマっちゃって。
坂本:ああ、そういうのありますよね。サイケのすごい中途半端なやつとかも聴き返したら……やっぱりいいんですよね。
太田:あ、僕カイリー・ミノーグでもそれと似たようなこと思ったんだ。あんまり売れてない時期があって、でもその頃の曲とか今聴くとすごいいいんですよね。って、全然ジャンル違いますね(笑)。
坂本:人が作ったテープに入ってると、すごい良く聴こえたりね。並びで。
太田:iPodとか自分でそれができちゃうんですよね。シャッフルで。その並びは波長を考えてるんじゃないか? って言う人がいるくらいうまい選曲だったりして。
坂本:それ楽しそうですね。
太田:あ、そっち、最新機材系はどうなんですか?
坂本:いやー、全然ですね。こないだはじめて自分のMacにiTunesっていうのが入っていることを発見して。
太田:おお~っ(笑)。
坂本:カチッとやってみたら、本体のこんなちっちゃいスピーカーから音が出て衝撃を受けたんですよね(笑)。ダウンロードとかもしたことないし。パソコンでもCDが聴ける、ってのも最近知ったんで。
太田:僕もパソコン弱いんですよ~。CDはLDプレイヤーで聴いちゃうし。
坂本:聴けるんですか?
太田:コンパチっていうのがあったんですよね。
あらら。なんだか随分懐かしい単語が出てきてますが、今このテキストを読んでる皆さんはそんなことないですよねぇ?
坂本:なんかすでにCD-Rとかも聴かないですね。昔自分もCD-Rの機械買って、人から借りたレア盤とかダビングしたりとかしたんですけど、聴かなくなっちゃいましたね、そういうの。だからやめました。
太田:CDは聴くんですよね? アナログばっかりじゃなく。
坂本:聴きますよ。いままでは車によく乗ってたんで大体CD買って車で聴くことが多かったんですけど。……最近アナログですね。CDとか1,000円以下でいっぱい売ってるじゃないですか。それでつまんないと捨てたくなるんですけど、アナログだとなんか許せるっていうか。つまんなくないような気がしてきたり。やさしい気持ちで聴けて。きっといいところがあるに違いない(笑)とか。
太田:(笑)!!!!!!!
坂本:アナログだとこっちも親切な聴き方なんですけど、CDだとピッピッてとばして、イントロで〈あ、つまんない〉〈あ、つまんなかった〉で、スポッて棚に入って終わりとか。CDになってから一時期イントロが長いとそれだけで聴けなくて。
太田:(笑)待ち切れない!
坂本:あと導入部がフワーッて入るイントロとかとばしちゃったり。
太田:プログレとかだめじゃないですか!?(笑)やっぱりアナログってあのアートワーク、大きさもありますよね。絵を買った、みたいな。僕プラモデルも好きなんですけど、〈ボックス・アート〉なんですよね。あの中に作り終えるまでの夢が詰まっているみたいな。
坂本:あのパッケージされた感じね。
太田:すごい洗練されているんですよね。機能的だし。夢が膨らみますよね。
坂本:いまもやるんですか?
太田:いまは買ってるだけ。子供の時に〈ミリタリー・ミニチュア・シリーズ〉っていう戦車のシリーズにハマっちゃって。当然小学校5年くらいで卒業するじゃないですか? そういうものって。で社会人になって、スミスとかが出てきた時にリアルタイムな音楽は聴き終えた、みたいなわけわかんないこと思っちゃって。それで次に何かないかなって思ってたら「ビートルズ海賊版辞典」っていう2,500円くらいする本が講談社から当時出てたんですよ。これだ!って思って、アナログを買い直そうと。そのときにレトロ趣味が出てきちゃって、ブリキのおもちゃ買い漁ったりして、それでプラモデルも。絶版になってるものも探したりして。だからいま押し入れ一個潰れちゃってるんですよ、プラモデルで。
坂本:(絶句)。