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脳梗塞と小脳出血を患った加山雄三が“生涯最後”のホール公演 ほぼ全曲椅子で歌唱…年内でコンサート引退

2022年9月9日 19時00分

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ラストホールコンサートで熱唱する加山雄三

ラストホールコンサートで熱唱する加山雄三

 年内いっぱいでコンサート活動から引退する歌手の加山雄三(85)が9日、東京・東京国際フォーラムでコンサート「加山雄三ラストショー 永遠の若大将」を開いた。
 12月に船上ライブを予定しているが、ホール公演はこの日が生涯最後のステージに。俳優デビュー62年、歌手デビューして61年。“別れ”を惜しむ5000人のファンに、若大将は万感の思いを込めた熱唱を届けた。
 加山は3年前に軽度の脳梗塞を、2年前に小脳出血を発症。不屈の精神で試練を乗り越えてきたが、今年4月に85歳を迎え、体力的な問題などからコンサート活動からの引退を決意。6月に発表した。「まだ歌えるうちにやめたい」。60年余りにわたって、第一線を走り続けてきた加山なりの美学からだった。
 ラストショーはおなじみの「海 その愛」で始まった。ステージの模様は全国のファンのために全都道府県の計62カ所の会場にもライブ配信され、合わせて1万3000人にラスト唱を届けた。
 万雷の拍手の中、加山は「皆さんに会いたくて、今日の日をずっと楽しみにしてました。最後まで大いに楽しんでください」とあいさつした。小脳出血後の歩行リハビリが続いていることや2時間余りの長いステージを考慮して、ほぼ全曲を椅子に着席したスタイルで歌唱した。
 歌手人生60年の集大成となったステージは、前半は「俺は海の子」「ある日渚に」「湘南ひき潮」など大好きな海をテーマにした作品を披露。中盤からはアンコールまでは「僕の妹に」「お嫁においで」「君といつまでも」など国民的なヒット作をかみしめるように歌い上げた。「旅人」は、最新の人工知能(AI)で制作した“AI加山雄三”とのデュエットで盛り上げた。
 ステージは全26曲。ラストショーのラストソングに選んだのは、「愛する時は今」。2002年に発売した、加山お気に入りの1曲だった。歌い終えて加山は「最後まで歌いきることができて幸せいっぱいです。ありがとう!」と満面の笑みを浮かべてファンに感謝。手を振りながらステージを去った。

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