ECO日記

動物園の人気者はお家で飼える? 【ミーアキャット編】

みなさんこんにちは!元飼育員のふくちゃんです!

今回のブログは「動物園の人気者はお家で飼える?」シリーズの第三弾。

立ち上がってキョロキョロする姿がキュートな人気者「ミーアキャット」について、お家で飼える?それとも飼えない?といった疑問にお答えしていきます!

「ミーアキャットをお家で飼ってみたい!」という人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

1.ミーアキャットは飼っていい動物?法律上は?

ミーアキャットのように「動物園にいるような動物」を飼いたいと思った場合、まずは

「法律で『飼っちゃダメ!』と指定されていないか」を調べてみましょう!

というのも、動物の種類によっては「絶滅しそうだからダメだよ」「危ないからダメだよ」「飼うならきちんと申請しなきゃダメだよ」という決まりがあるケースもあるんです。

知らずに飼って法律違反にならないためにも、まずはしっかり調べるのが大事なんですね…!

 

…ただ、ミーアキャットについては飼育を規制する法律はありませんので、ペットとしてお家で飼っても、法律上の問題はなし!ということになりますね。

 

 

2.ミーアキャットはどんな暮らしをしているの?

ミーアキャットをお家で飼いたい!と思っているなら、「そもそもどんな暮らしをしている動物なんだろう?」というところも、しっかり調べておきたいところ。

せっかくお家にお迎えするなら、ミーアキャットが過ごしやすい環境を作ってあげたいですからね!

というわけで、ミーアキャットの生態(野生でどんな暮らしをしているか)を紹介していきますね!

 

…そもそもミーアキャットは、名前に「キャット」とつくもののネコの仲間ではなく、「マングース」という動物の仲間です。

(ネコは英語で「cat」と書きますが、ミーアキャットのキャットは「kat」と書きます)

マングースは小柄ながら攻撃的なところがある(自分より大きな毒ヘビに勝つこともある…)動物なのですが、その仲間のミーアキャットにも、なかなか攻撃的なところがあります。

野生では、猛毒で知られるサソリを食べることもあるほどで、その荒々しさは「サバンナのギャング」と呼ばれることも…!

特別人に慣れやすいわけでもないですし、なでられるのが好きな動物でもないので、ワンちゃんやネコちゃんみたいにふれあいを楽しめる動物ではない…ということも知っておきましょう。

 

また、ミーアキャットは地面の中に巣穴を掘って暮らしています。

この「穴を掘る」という行動はミーアキャットの遺伝子に深く刻み込まれているので、穴を掘れない環境で飼っていると、床をガリガリと掘るしぐさを繰り返したり、ストレスで体調を崩したりしまうこともあるんです。

…お家で飼うなら、思う存分穴を掘らせてあげられる環境を整えてあげたいところですね。

(ちなみに、穴を掘る動物を一般的なお家の庭に放すのはNG!塀の向こう側まで穴を掘って脱走してしまったり、地中に埋まっている電気コードなどを噛んで感電してしまったりと、思わぬ事故につながりかねません)

 

さらに、ミーアキャットは家族で集まって暮らす「集団生活」をしている動物です。

お家で飼う場合でも、最低3~4頭くらいの群れで過ごさせてあげたほうが、ストレスを感じにくいでしょう。

 

ちなみに、ミーアキャットはお肉や昆虫をメインにしつつ果物なども食べる「雑食動物」です。

動物園では、鶏肉やマウスのお肉を中心に、虫の幼虫であるミルワーム、ニンジンなどの野菜、ドッグフードなどをあげる場合がほとんど。

それでも、ワンちゃんやネコちゃんのように「このエサを1日に何グラムあげればOK!」という基準があるわけではないのが難しいところ。

飼っているミーアキャットの体つきや体重、糞の状態や行動など、いろいろなことを観察しながら、最適な量を見極めないといけません。

 

…さて、ここまで「法律上の問題はある?」「どんな暮らしをしている動物?」という2つの視点から、「ミーアキャットはお家で飼える?」というテーマについて書いてきました。

 

結論として、このテーマについての僕なりの答えをお伝えしておくと、

 

「飼えなくはないけどきちんと飼うのはかなり大変だから、やめておいたほうがいいと思うよ!」

 

といったところ。

特に「ミーアキャットの生態に合わせて、適した環境を整える」のがとっても大変です。

ペットとして飼うのに適した動物ではないので、お家で飼いたいのなら「ミーアキャットのために家と庭を丸ごと改造するぞ!」くらいのかなり強い覚悟が必要だといえます。

…こんな風に、ペットを飼う前には「本当に幸せに飼ってあげられるかな?」ということを、じっくりと考えてあげたいですね!

 

それでは、今日はこのあたりで!

 

 

この記事を書いた人…元飼育員講師ふくちゃん

福岡ECOの卒業生。動物園とサファリパークで13年間、飼育員をしていました。好きな動物はフクロテナガザル。担当していた動物は、ゾウ、チンパンジー、キリン、トラなど。現在は福岡ECOで「陸上動物」「動物園・水族館研究」「アニマルヒストリー」の授業を担当しています。