new york women in film and television's 43rd annual muse awards
Jamie McCarthy//Getty Images
フリーダ・ピント(Freida Pinto)

インドのムンバイを舞台にしたダニー・ボイル監督の映画『スラムドッグ$ミリオネア』のヒロイン役を演じたフリーダ・ピント。彼女はインド出身でこの作品でハリウッドにデビュー。作品はオスカーの作品賞を受賞したが、彼女も英国アカデミー賞助演女優賞にノミネート。俳優として高い評価を得て成功は約束されたようなものだった。しかしその後の道のりは楽ではなかった。

今週開催されたニューヨーク・ウイメン・イン・フィルム&テレビジョンアワードの授賞式に出席したピントはステージでスピーチを披露した。彼女は映画『スラムドッグ〜』でブレイク後、ウディ・アレン監督の『恋のロンドン狂騒曲』やマイケル・ウィンターボトム監督の『トリシュナ』、ジェームズ・フランコ主演の『猿の惑星: 創世記』などに出演したが当時をこう振り返る。「私はパーティの華と呼ばれ、信じられないようなプロデューサーや映画会社の重役たちから仕事をオファーされた。でも彼らは私のことを見ていなかったし、理解していなかった。私はそれを知った上で仕事を受けていた」。

special screening of "slumdog millionaire"
Stephen Shugerman//Getty Images
『スラムドッグ〜』の上映会で主演のパテルと。デヴ・パテル(Dev Patel)、フリーダ・ピント(Freida Pinto)

しかしそのうちに紋切り型の役ばかりを提示されることに苛立ちを覚えるように。「ステレオタイプにつぐステレオタイプ、ハリウッドに見られる想像力の欠落、何か違うことや新しいことに挑戦しようとする意欲の欠如に本当に苦しんだ。イライラして役を断るようになった」。そのうちにプロデューサーたちにも彼女がいわゆる「インド人女性」のインド人女性のステレオタイプを演じるつもりがないとわかった。すると「どうなったと思う? オファーがなくなり始めた。私は無職で苦しい2年半を過ごした」。それがいつだったのかスピーチでは明らかにしなかったが、彼女のキャリアを見てみると2011年から2015年にかけて出演作が途絶えている。

この数年で多様性や包括性が高まってきているハリウッド。フリーダがこれからどんな役を選んでいくのか、彼女の活躍に改めて注目したい。