TikTokでも話題! “ファイト・クラブ風”ブラッド・ピット体型の作り方

ブラッド・ピットの主演映画『ファイト・クラブ』が公開されて23年経ったいま、主人公のタイラー・ダーデンの鍛え抜かれたボディは、TikTok世代をも魅了している。その体型を手に入れるための、現代版にアップデートされた1週間のトレーニングプランを紹介しよう!
ブラッド・ピット ワークアウト ファイト・クラブ

1999年に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督の映画『ファイト・クラブ』は、さまざまな点で記憶に残る作品となった。ジャレッド・レトの顔がボコボコに殴られるシーンや、ヘレナ・ボナム・カーターが演じたチェーンスモーカーのヒロインの演技、ミートローフの出演、そして、駐車場で自分の顔を殴るエドワード・ノートンと、例を挙げればきりがない。

なかでも、公開から20年以上経ったいまも、広く語り継がれているのは、ブラッド・ピットの鍛え抜かれた体だろう。TikTokの#workoutというハッシュタグには、何百もの動画が投稿され、何十万回も視聴されている。ピットの完璧に引き締まった“ファイト・クラブ ・ボディ”は、そのトレンドに乗る多くの人々にとっても、理想の肉体美であり続けている。

「Tailor Made Fitness」の創設者であるクリス・アントニは、ピットの体を「彫刻のような胸筋はもちろん、がっしりとした肩、引き締まった腕、割れた腹筋、下腹部のV字カット、そして、非常に低い体脂肪率など。どれを取っても、すべてが素晴らしい」と、絶賛する。「彼の肉体には、努力の痕跡を見ることができます。機動的で俊敏な動きを可能にする肉体です。クリスティアーノ・ロナウドのようなエリートアスリートも、このような体型を維持することで、長い間キャリアを築いてきています」

肥大しすぎず、ほどよく引き締まったピットの“ファイト・クラブ ・ボディ”は、体脂肪率を低く維持したまま、筋肉量を増やすことによってできあがった。このバランスが難しいのだが、うまくいけば、見た目だけでなく、心も体も軽くなる。

Everett collection

“ファイト・クラブ・ボディ”とは?

当時のピットの体型づくりの重要なコンセプトは「力強さ」と「余分な体脂肪がないこと」だ。ピットは『ファイト・クラブ』のために、体脂肪を5%程度にまで落とした。これこそが、彼の筋肉を堅強なものに見せている理由だ、とアントニは考える。体脂肪率をここまで下げるのは容易ではないが、ピットはそれを実現することによって、素晴らしい筋肉を際立たせることに成功したのだ。

「彼の肩は力強く、上腕二頭筋と上腕三頭筋との境目がはっきりしています。上腕二頭筋と上腕三頭筋はしっかりと鍛えられていますが、大きすぎません。胸筋の輪郭ははっきりとしていますが、筋肉隆々としすぎていません。腹筋と腹斜筋も同様です」(アントニ)

アントニの手法で注目したいのは、筋肉そのもののサイズをアップさせるのではなく、脂肪を落とすことで、筋肉を浮かび上がらせることに重点を置いている点だ。それには、 ダイエットや有酸素運動だけでなく、そのほかの工夫も必要だった。「上下の背筋を鍛えるのがポイントです。背筋は姿勢を正しく保ち、さらに、体の前側の筋肉をたくましく見せてくれるのです」と、アントニは言う。

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“ファイト・クラブ・ボディ”は、なぜいまも私たちを虜にするのか?

トレーニング・メソッド「The Tactical Athlete」の考案者であるファーレン・モーガンは、いまだにピットの体型に注目が集まる理由のひとつに、映画が公開された当時、パーソナルトレーナーたちが彼のトレーニング方法を採用し、フィットネス文化として定着したためだ、と語る。「『ファイト・クラブ』での彼の体がトレンドであり続けるのは、それを手に入れるためには、相当の覚悟と集中的なワークアウトプラン、そして、アクティブなライフスタイルが必要だから、というのも大きいと思います」

「ブラッドのトレーニングやライフスタイルは、まるで軍隊の特殊部隊で働くタクティカル・アスリートのようでした。彼は、集中的な有酸素運動にあてる2日間を含む、週6日のワークアウトを行っていました。また、筋肉の発達をサポートし、並外れた体型を実現するために、プロテインシェイクや自然食品を1日に何度も摂取するなど、厳しい食事制限も取り入れていました」と、モーガンは続ける。

ピットの体は、エリートだけが手に入れることのできる、持続的な努力の賜物だ。TikTokの#workoutトレンドは、多くの人が懸命にワークアウトに取り組んでいることを象徴しているが、じっさいには、ほとんどの人が、理想の体を手に入れる前に脱落してしまうだろう。

アントニは、大流行した柔軟体操(とくにパンデミック中は)や、クロスフィットなどのフィットネス・ムーブメントによって、これまで以上に“ファイト・クラブ・ボディ”が注目されるようになった、と考えている。フイットネスは、いまも“健康とウェルネスの柱”なのだ。

インスタグラムやTikTokを見ると、体脂肪率を落として筋肉を増やすためのワークアウトや、痩せるための方法を紹介するインフルエンサーがたくさんいます。こうした動画が人気なのは、服を着たときの見栄えを良くしてくれるからなんですよね。フィットネスについて知ると、体脂肪が少なく引き締まった体を持てば、より健康的になり、精神的にも肉体的にも心地よくいられることが理解できます。フィットネスの効用に気づく人が増えてきているんです」

『ファイト・クラブ』のブラッド・ピットのようになるには?

ピットは、週に4日、個々の筋肉に焦点をあてた筋トレをしたという(たとえば、月曜日は胸筋、火曜日は広背筋)。「ブラッドは、筋肉をパーツごとにトレーニングすることで、体のあらゆる部分を効果的に鍛え上げたのです」と、モーガンは説明する。

もちろん、集中的に行う有酸素運動なしには、ピットのような筋肉を得ることはできない。「彼の体づくりに大きく貢献したのは、筋トレの残りの時間に行う本格的な有酸素運動でした」と、モーガン。つまり、あの体型を手に入れるには、週6日間、全力でトレーニングする必要があったのだ。

ピットのようになりたい人のために、モーガンが2022年版にアップデートした1週間のトレーニングプランを紹介しよう。

月曜日:ベンチディップス

ベンチ台を握り、腕が90度に曲がるまでゆっくりと体を下げていく。胸を張り、目線を前に向けるようにする。両手でベンチ台を押し下げるようにして、スタートポジションに戻る。25回×3セットが目安。

火曜日 : ペンドレイロウ

床の上にバーベルをセットし、両足を肩幅程度に広げてデッドリフトのスタートポジションの姿勢をとる。お尻ではなく広背筋を使って、バーベルを胸に引きつける。背中はまっすぐに伸ばしたままにすることが、ポイント。8レップ×3セットを行い、回を重ねるごとに重量を増やしていこう。

水曜日:立位で行うミリタリープレス

立った状態で、ロードされたバーベル、または、手のひらが外向きになるよう両手にダンベルを握る。ウェイトをあごの位置まで持ち上げた後、肩の力を使って腕を伸ばし、ウェイトを頭上まで持ち上げ(このとき、あごに注意)、ゆっくりと下げる。無理のない程度の重量で、8回レップ×3セットを目指そう。

木曜日:立位で行うバーベルカール

立った状態で、手のひらを外向きにしてバーベルを握る。上腕二頭筋を鍛えるため、バーベルを胸の高さまで持ち上げたら、ゆっくりとスタートポジションまで下げる。ウェイトを上げるときは、背中を使って持ち上げることがないよう注意する。8レップ×3セットを目標に、回数を重ねるごとに重量を増やしていこう。

金曜日・土曜日:エアロバイク

20分ごとに、負荷を30%、60%、90%ずつアップさせながら、継続的に60分間のトレーニングをする。これにより、心拍数を上げ、カロリーを消費する。

From: BRITISH GQ Adapted by Etsuko Yoshikawa


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