めまぐるしく変わる世の中で「少しでも先の未来を予測したい」と思うのは、ビジネスパーソンにとって自然なことです。実際、得られる情報によっては、「これからの日本」を知るためのヒントが得られることもあるでしょう。ただ、情報があふれる現在でも、未来を予測するのは難しいもの。徳川時代から現代までの日本近現代史を専門とするハーバード大学のアンドルー・ゴードン教授は、ウェブメディア「無限大」にて次のように語ります。

「歴史から学ぶ」とよく言われますが、私は、過去が直線的に流れて将来はこうなると予言風に学ぶのは間違いだと思います。事実、3.11に発生した大災害は多くの人々にとって「想定外」の出来事であり、その後の日本社会に大きな影響を与えています。

将来は常に不確定です。例えば、江戸時代の末期に外国人が日本に来たとき、「あなたの国では50年後、イギリスやドイツをモデルにした憲法を制定すると思いますか」と聞いたら、日本人は誰もが「そんなことはあり得ない」と答えたでしょう。変化を予測することは難しい。歴史から学べることは、「将来は予言できない」ということです。もちろん原因があって結果があるのですが、いろいろな要素があり、さまざまな可能性がある中で、考えてもいない方向に行くというのは、歴史上よく起きることです。

そんなゴードン教授が、現在研究しているのは、日本のバブル崩壊後に訪れたいわゆる「失われた20年」と呼ばれる時代。日本にとっては、暗いテーマと言えそうです。ただ、ゴードン教授は、先が見えないからこそ悲観的になる必要もないと語ります。

既に申し上げたように、歴史を研究する者として予言をすることはできません。ただ、言えるのは、課題をたくさん抱えているからといって悲観的に考え過ぎないことです。そして、意識を変えることが必要です。社会への参加の仕方も変わらなければなりませんし、女性の就労や移民の受け入れなどを含めて、日本の国のかたち自体も変わる必要があるかもしれません。低成長、人口減少の中にあっても、社会を維持し、成熟した国としての喜びを見出していくことが大切です。

失われた20年は「一過性の景気低迷」ではなく、「時代が大きく変わる兆候」と考えていると語るゴードン教授。興味のある方は、下記のリンク元メディア「Mugendai(無限大)」で続きを読むことができます。

日本の「失われた20年」の先にあるもの ─ 世界のモデルとなる「新しい成熟社会」に向け、歩み始めるとき|Mugendai(無限大)

(ライフハッカー[日本版]編集部)

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