NY金先物、約3カ月ぶり高値 米実質金利低下で
金の国際相場が、心理的節目となる1トロイオンス1800ドルを再び超えた。指標となるニューヨーク先物価格は日本時間7日の時間外取引で一時1820ドル台と、2月中旬以来約3カ月ぶりの高値をつけた。米国でインフレ予想が強まり、金相場と逆相関するとされる米実質金利が低下した影響を受けた。
6日のNY市場で終値が前日比2%高となった流れを引き継いだ。ドル建ての金相場は、米名目金利から市場が予想する将来のインフレ率(期待インフレ率)を引いた実質金利と逆相関性が強い。民間の雇用関連統計など米経済の回復を示す指標の発表が相次いだことでインフレ期待が高まった一方、名目の米長期金利には頭打ち感があり、実質金利が急低下した。
宝飾品としての金需要はアジアで回復が鮮明だ。金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎氏は「実需が下支えしている中で米実質金利が低下し、上値として意識されていた1800ドルを超えた」と話す。
インフレ懸念が強まれば、ヘッジ(回避)としての金買いも入りやすい。マーケットアナリストの豊島逸夫氏は「金相場は下落傾向から転換し、上値を模索し始める」とみる。