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銀投資、金との違いで学ぶ 妙味とリスク

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 貴金属は今春以降、大幅に相場が下落した。だが、投機マネーがいったん流出した市場を逆に長期投資先として再評価する見方が出ている。中でも銀は大手地金商が新たな積み立てサービスを今秋導入するなど新しい投資手法が広がり始めた。工業用材料の側面も持つ銀の市況見通しや投資リスクをまとめた。

「銀は金に代表される貴金属と、銅に代表される非鉄金属の両面の性格を併せ持つ」。大手地金商、田中貴金属工業の原田和佳子・貴金属市場部長は銀の特徴をこう説明する。

銀は歴史的に宝飾品や銀貨として使われてきた。英国王立造幣局は英王室キャサリン妃の男児出産を記念する一ペニー銀貨をこのほど鋳造。欧米では投資需要も一定量あり、銀も金と同様に通貨の代替としての性格が強い。銀相場は金に連動して変動しやすい。

通貨と素材の両面

一方で、銀の需要は工業用が最も多い。1990年代までは銀塩フィルム向け需要が最多だったが、デジタルカメラが普及してフィルムは退潮。今は自動車向け電子部品や太陽光パネルの電極などが主用途だ。銅やアルミニウムなど非鉄金属と同様に主要な産業には不可欠な素材で、投資家は工業用途での需給バランスにも注目する。銀相場を理解するには「代替通貨」と「産業素材」という両面で分析するのが肝要だ。

銀の国際価格は2005年末まで1トロイオンス10ドルを下回っていたが、世界的な金融緩和を背景に投資マネーが大量流入。ニューヨーク市場の銀先物は太陽電池向け需要の拡大期待が高まった11年春に00年代以降の最高値である49ドル台まで上昇した(グラフA)。その後は下落基調に転じ、今年7月下旬時点では最高値から約6割安い20ドル前後で推移している。東京市場の銀先物も11年春に直近高値の1グラム130円を付けたが、現在は60円台。金相場より変動幅が大きい。

一般の投資家には地金(じがね)の売買が伝統的な銀の運用方法といえる。大手地金商の石福金属興業(東京・千代田)が販売する銀塊は300グラムから30キログラムまである。同社の銀地金の販売価格(消費税込み)は30日時点で1キログラム6万8880円と金より少額から投資できる。

ただ、各社は売買にかかる手数料を金よりも割高に設定しており、売買差益が目減りする点には注意が必要だ(表B)。地金商大手の1キログラム銀塊の購入手数料は5250~8400円と製品価格の1割前後かかる。売却時にも同等の手数料が発生する。各社は「銀の流通量が少なく地金の精錬・物流コストが割高になるため」と説明する。また、銀は空気中の硫黄に反応して黒ずむため、常に手入れが不可欠だ。

毎月、金やプラチナを一定額買い付ける積立口座で銀を購入することもできる。7月以降、三菱マテリアルと田中貴金属工業がそれぞれ銀の積み立てサービスを始める。年会費や購入手数料がかかるが、購入した地金は企業が保管するため紛失や盗難のリスクは少ない。

先物は10キロから

銀は先物取引も可能だ。東京商品取引所に上場しており、最低取引単位は10キログラム。一部の証券会社ではニューヨーク市場の銀先物も扱っている。ただ、東京市場の銀先物は売買高が金(標準取引)の1%前後しかない。海外市場でも市場規模は金より小さく、自分の望む価格やタイミングで自由に売買できない可能性もある。市場規模が小さいため、過去には一部投機家が買い占め対象にするなど価格の乱高下リスクもある。

銀の先物価格に連動した上場投資信託(ETF)は比較的小口から投資可能だ。三菱UFJ信託銀行が手掛ける「純銀上場信託(銀の果実)」は投資口が1口100グラム相当の価格に連動する。

銀に投資する一般の投資家の多くは金への投資資金の一部を分散しているようだ。ただ、相場の変動幅が非常に大きいため大きな利幅を期待できる一方で損失リスクも高い。これから銀投資を始める場合には、短期の利益追求に固執しない方がよさそうだ。

銀相場の短期見通しも強気派は少ない。実物の需給が緩んでいるためだ(グラフC)。銀の工業用需要は13年に約1万5000トンになる見通し。欧州や新興国の景気減速で前年比微増にとどまりそうだ。一方で鉱山の生産量はここ数年増え続けている。銀は銅鉱山の副産物として生産され、需要が落ち込んでもすぐに減産に対応できない。銀は弱含むとの見方が多い。

ただ、マーケットアナリストの豊島逸夫氏は「長期で見れば足元の銀価格の水準は安い」と分析する。「金が長期的な上昇トレンドに入れば銀も連動して値上がりする可能性は十分ある」(三菱マテリアルの久谷晴夫地金ビジネス部部長補佐)との指摘もある。田中貴金属の原田部長は「長期の投資先でみれば金より少額で始められるだけに面白い」と話す。(林さや香)

金高騰、銀との価格差は70倍前後に
 銀は古代の欧州では金と同様に流通量が少なく希少性が高かったが、16世紀以降にアメリカ大陸から大量の銀が流入した。欧米では19世紀まで金と銀の価格差は約15倍だった。20世紀後半に世界各国が金本位制を放棄して金と銀の流通が自由化すると、金の高騰で価格差は広がった。今の金銀価格差は70倍前後だ。
 銀が史上最高値をつけたのは1980年。米投資家のハント兄弟らが79年から先物市場や地金で銀を買い占め、市場の銀流通が一時的に減ったことで相場は約半年間で急騰。1トロイオンス10ドル弱から一時50ドル台に達した。だが、取引所が売買規制を強化して相場は急落。わずか2カ月後には再び10ドル前後に戻った。

[日本経済新聞朝刊2013年7月31日付]

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