岩手県奥州市の奇祭「黒石寺蘇民祭」 1千年以上の歴史に幕 檀家の高齢化と担い手不足

川に入って自ら水を浴び、身を浄める参加者=17日午後、岩手県奥州市(岩崎叶汰撮影)
川に入って自ら水を浴び、身を浄める参加者=17日午後、岩手県奥州市(岩崎叶汰撮影)

岩手県奥州市の黒石寺に伝わる奇祭「黒石寺蘇民祭」は17日、下帯姿の男衆らが最後の蘇民袋の争奪戦を繰り広げ、一千年以上の歴史の幕を閉じる。昨年末に檀家(だんか)の高齢化と担い手不足を理由に今回が最後と公表され、境内には全国各地から多くの観光客らが詰めかけた。

「最後に背中を押され初めてやってきた」という埼玉県朝霞市の須藤幸四郎さん(74)、福島県南相馬市の志賀正明さん(71)と西内一夫さん(71)は「何とか復活してほしいね」と口をそろえた。

16年ぶりに黒石寺にきた花巻市の会社員、佐藤真さん(53)は、JR東日本が平成20年に掲示を拒否したことで話題となったポスターのモデル。「蘇民祭の名の通り将来、蘇ってくれれば」と話した。

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