化石でたどる昆虫の歴史 那須野が原博物館で特別展

2019年8月8日 02時00分

初公開されている6枚の翅を持つムカシアミバネムシ=那須塩原市で

 昆虫の誕生から多様化して、繁栄するまでの歴史を紹介する特別展「昆虫創世記」が、那須塩原市の那須野が原博物館で開かれている。世界各地で発掘された化石を中心に約五百点の資料から、陸上で暮らす生態系の中心でもある昆虫に迫る。九月二十三日まで。 (原田拓哉)
 昆虫はこれまでに、地球上の生物の半数を超える約百万種が確認されている。頭部、胸部、腹部の三つに分かれ、六本の脚がある。
 特別展の目玉の一つが、石炭紀(三億五千八百九十万~二億九千八百九十万年前)からペルム紀(二億九千八百九十万~二億五千百九十万年前)に繁栄した六枚の翅(はね)を持つムカシアミバネムシ。
 一般的に昆虫は四枚の翅だが、前胸部分に一対の小さな翅があり、翅の進化の点でも注目されている。
 今回、資料などから、国内で初めて模型が作製され、公開されている。
 フランスの石炭紀後期の地層で発見されたメガネウラは史上最大の昆虫といわれ、翅を広げると七十センチを超え、模型や化石が展示されている。
 国内でも有数の昆虫化石産地として知られる地元、塩原温泉街周辺の塩原層群の地層も紹介している。これまでに七十九種が確認されているが、アカアシクワガタやハチ、トンボの仲間などの化石を展示している。この地層では今も研究が進んでいるという。
 学芸員の多和田潤治さんは「人間にも身近な昆虫は世界で最も数が多い生物。なぜこんなに繁栄したのか、化石などで振り返りながら感じてもらえれば」と話している。
 入館料は一般三百円、高校・大学生二百円、小・中学生百円。月曜休館だが、十二日と九月十六日、二十三日は開館。

アカアシクワガタの化石(個人蔵)

ヒメバチの一種の化石(木の葉化石園蔵)

ゴマダラカミキリの化石(木の葉化石園蔵)

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