元モー娘。中澤裕子さん、飛び込んだ「園ママ」の輪「誰かに頼ることも支えることも素晴らしい」

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 子育て世代の声を聞く連載「少子化 私のリアル」、今回のテーマは「子育ての味方は誰ですか?」。2児の母で、女性アイドルグループ「モーニング娘。」の元リーダー、中澤裕子さん(50)に、2014年に東京から移り住んだ福岡で、育児の味方になってくれた人について聞いた。

仕事をしながら育児と介護、ダブルケアに苦しんだ女性が手放したもの

ゆかりのない土地での「子どもファースト」

子育てについて語る中澤裕子さん=田中勝美撮影
子育てについて語る中澤裕子さん=田中勝美撮影

 夫の仕事の都合で移ってきて、夫婦ともこの地にゆかりがなく、親戚もいない。当初は、長女(10)を預ける所もなくて大変だった。

 父は、私が6歳のときに他界。母は昼夜なく働いて私と妹を育ててくれたけれど、家にいないことも多かった。その経験もあり、我が家は長女と長男(8)を最優先する「子どもファースト」。私は朝4時半に起きてお弁当を作り、下校する時間帯には私か、会社を経営する夫のどちらかが家にいるようにしている。

 グループに所属していた頃は、「私はモーニング娘。になるために生まれてきた」という使命感を持って活動していた。「現世では結婚しないだろう」と思っていたけれど、38歳で、縁あって結婚。長女を授かったことが分かると、「私はこの子を産むために、生まれてきたんだ」と気持ちが切り替わった。

実は苦手な団体行動、長女の幼稚園入園を機に変化

 母の「自立した女性になりなさい」という言葉に影響され、他人に頼らない癖がついていた。そのせいか、実は団体行動が苦手で、本音を話すのも得意じゃない。

 でも、長女が幼稚園に入るとき、みんなと一緒に楽しんでほしいと思い、それにはやっぱり、私がお母さんたちの「輪」に飛び込まなくちゃいけないなと。当時は幼稚園のママのランチ会もたくさんあって、知らない人と食事するのはすごく勇気がいるけれど、「出なきゃ」と自分の中で言い聞かせていた。

 あいさつも、待っていてはいけないと思い、自分からするように。最初は「中澤裕子だ」と驚かれたりもしたが、次第に気の合う人たちが集まり、「○○ちゃんのお母さん」として「輪」の中にいられるようになった。今でも親しい関係が続いていて、世間話から学校生活の相談までできる仲間だ。

子どもたちがつないでくれた縁

 長女の親友のお母さんは、特に頼りになる存在。最近も、私が体調を崩した際に子ども2人を預かってくれた。「何でも言って!」と大ピンチのときに手を差し伸べてくれて、「この人がいてくれてよかった」と信頼している。子どもたちがつないでくれた縁のおかげで、今は誰かに頼ることも誰かを支えることも、素晴らしいことだと思っている。

 母は実家があった京都府から兵庫県に移り、私には故郷と思える所がない。子どもたちには故郷を作ってあげたいから、福岡に根を下ろすつもりだ。いつか2人が巣立ち、帰郷したとき、会いたい人や頼りたい人がこの地にいる――そんな場所になってほしい。(聞き手・鶴田明子)

  なかざわ・ゆうこ

 1973年生まれ、京都府出身。24歳で「モーニング娘。」の一員としてデビューし、初代リーダーとして活躍。現在はテレビ西日本(福岡市)の情報番組「ももち浜ストア」のコメンテーターを務める。

※子育ての体験談や記事の感想、少子化対策へのご意見などを募集します。住所、氏名、職業、年齢を明記し、〒100・8055読売新聞東京本社生活部「私のリアル」係、メールは kurashi@yomiuri.com へ。

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4354443 0 子育て 2023/07/17 10:02:00 2023/07/17 22:04:17 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/07/20230714-OYT1I50059-T.jpg?type=thumbnail

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