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二宮金次郎(尊徳)にゆかりが深い栃木県真岡市で、市歴史資料保存館の敷地内に設置されていた金次郎の銅像がなくなっていることが5日、わかった。市教育委員会から被害届を受理した県警真岡署が窃盗事件として捜査している。
市教委によると、銅像は高さ約1メートルで、大谷石の台座に固定されていた。3日午後、近くで練習していたグラウンドゴルフ愛好会のメンバーが銅像がなくなっているのに気付き、駐在所に通報した。台座のコンクリート部分が壊されていた。
貧困に負けず仕事と学問に打ち込み、江戸時代末期に多くの農民を救ったとされる金次郎は、桜町(現・真岡市)で30年ほど暮らしたという。周辺には、金次郎が治水や開拓など農村復興事業の活動拠点としていた「桜町陣屋跡」(国指定史跡)などがあり、同市との関連は深い。
同愛好会の70歳代の女性は「金次郎は私たちの誇りであり、心のよりどころ。盗むなんて許せない」と話した。
保存館は2009年、廃校になった旧二宮町立物部小高田分校を活用して開館。明治時代の民具や農具、古文書などを保管している。銅像は分校時代の1978年に正門近くに設置され、そのまま残されていた。
同市内には小学校など公的施設27か所に金次郎像があり、このうち13か所が銅製という。真岡署は、価格が高騰する銅に目を付けた窃盗事件とみて、警戒を強めている。