【東京ウオッチ】都心で繰り広げられるツバキの“絵巻物”―ホテル椿山荘東京の庭園で

2023年2月2日 17時14分

◎今週の一推しイベント

 【8日(水)】
 ▽「椿絵巻~東京椿インスタレーション・アート~」(~28日、文京区・ホテル椿山荘東京、山頂へは往復で約150段の緩やかな階段と坂道などがある。庭園への入場はホテル利用者のみ、宿泊者である必要はなし)

ホテル庭園のツバキアート

 ツバキの花が醸し出す情景を存分に楽しめるインスタレーション・アートが、ホテル椿山荘東京で展開される。1~3月、庭園に約100種2300本のツバキが咲き誇る椿山荘ならではの試み。樹齢500年以上のシイの「御神木」や国の有形文化財「三重塔」など自然と芸術が融合した空間作品だ。
 山頂エリアへと向かう階段や道には、赤いツバキの花がちりばめられ、深い緑のコケとのコントラストが“絵巻物”のように美しい。
 マーケティング部門の園部咲乃さんは「椿山荘は南北朝時代から“つばきやま”と呼ばれた景勝地に明治時代、山県有朋が庭園と邸宅を築いたのが始まり。“有朋が現代にいたら、こう造園したのでは”という思いで企画した」と話した。
 

○そのほかのお薦めイベント

 【4日(土)】
 ▽「インターメディアテク開館十周年記念特別展示『極楽鳥』」(~5月7日、千代田区・JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」)

鳥がモチーフの宝飾品展

 鳥をモチーフにしたジュエリーを集めた特別展示「極楽鳥」が丸の内のインターメディアテクで開催されている。東京大学総合研究博物館と、フランスのジュエリーブランド「ヴァンクリーフ&アーペル」が支援する宝飾芸術の教育研究機関の主催。
 多くのブランドメゾンや作家による鳥のジュエリー約100点を紹介。山階鳥類研究所などが収蔵する歴史的な鳥の剥製標本やスケッチも公開し、学術的に鳥がどのように研究されてきたか、また、芸術やジュエリーの世界でどう表現されてきたかを明らかにする。会場は夜と昼の鳥、ファンタジーの鳥を表す詩的な空間となっている。
 主催者側は展示のタイトルとなった極楽鳥(オオフウチョウ)に鳥類の進化や歴史、伝説、そして保護についてのイメージを託したとしている。
 ▽「ショコラ×ショコラ」(~14日、新宿区・小田急百貨店新宿店)

バレンタインイベント

 “幸せのショコラめぐり”をテーマに「ピエール・エルメ」「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」など内外のトップブランドが勢ぞろいしたバレンタインイベントが小田急百貨店新宿店で催されている。
 ベルギーの老舗高級ブランド「デルレイ」は、キャラメルガナッシュなどが入ったダイヤモンド形ショコラを出品。ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンの代表車「ビートル」と「モロゾフ」がコラボレーションしたブランドは、ビートル形チョコレートを革張りトランクをイメージした箱に詰め合わせた。
 チョコと箱の組み合わせも、アート鑑賞のように楽しめるイベントだ。
 ▽「レオポルド美術館エゴン・シーレ展ウィーンが生んだ若き天才」(~4月9日、台東区・東京都美術館)

エゴン・シーレの展覧会

 早世の天才で知られるオーストリアの画家、エゴン・シーレの大展覧会が開催されている。日本では30年ぶりだ。
 レオポルド美術館の所蔵品を中心に、シーレの油彩画など50点をはじめ、クリムト、ココシュカなど同時代作家らの作品も合わせた約120点を展示。ウィーン世紀末美術を堪能できる。
 レオポルド美術館長のハンス・ペーター・ウィップリンガーさんは「自己の探求、女性たちとの関係など、テーマごとにシーレの道筋をたどれる構成。多くのインスピレーションを得てほしい」と説明。担当学芸員の小林明子さんも「傑作『ほおずきの実のある自画像』から、シーレのおびえや繊細さなどの感性を読み取って」と話した。
 【7日(火)】
 ▽「日本の女性映画人(1)―無声映画期から1960年代まで」(~3月26日、中央区・国立映画アーカイブ、事前予約制)
 監督、製作、脚本、美術、衣装デザインなどの分野で女性が活躍した映画を取り上げる企画が、国立映画アーカイブで開催される。
 Part1としての今回は、無声映画期から1960年代以前にキャリアを開始した女性たちが手がけた作品が対象。橋田寿賀子さん脚本の「姉妹」など、劇映画からドキュメンタリーまで計81作品(44プログラム)を上映する。
 女性監督第1号の坂根田鶴子さん、俳優から監督へ進んだ田中絹代さん、脚本の水木洋子さん、衣装デザインの森英恵さんら、多様な領域で功績を残した女性たちと、かかわった作品にスポットライトを当てる。
 彼女たちの仕事を見直し、日本映画への新たな視座を提供することが目的だ。

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