筑波大の学長に永田氏再任 27年3月まで在任14年に 実質的選考行われず

2023年10月26日 08時07分

再任された永田学長(筑波大提供)

 茨城県・筑波大は25日、2023年度で任期満了となる永田恭介学長(70)の再任を決定したと発表した。任期は24年4月1日~27年3月末で、満了すると在任期間は14年となる。今回は永田氏が再任を望み、学内外の委員による審査のみで決まり、実質的な選考は行われなかった。
 永田氏は13年4月に学長に就任。20年4月から運用されている学長選考要項では、選考の立候補希望者がいても、現職の「再任したい」との意思が優先されると規定している。
 昨春に学長選考会議から名称変更した「学長選考・監察会議」での再任審査は、学内と学外各10人の委員が担当。委員長は関西大東京センター長の河田梯一(ていいち)氏が務めた。24日の会議で、永田氏が提出した業績調書や所信表明書などに基づき、永田氏と集団面談し、再任を決めたという。
 筑波大の学長選考を巡っては20年10月、学長の任期上限を撤廃するよう規則変更した永田氏が再任したことに、教員有志の「筑波大学の学長選考を考える会」が反発。
 同会は記者会見し「学長選考のプロセスの公開性と公平性に疑義がある」と訴えた。
 再任決定の発表を受け、考える会共同代表の竹谷悦子教授は「今後の筑波大にとって非常に重要な問題なのに、周知方法が不透明」とした。
 同じく共同代表の吉原ゆかり教授は「重要な情報がホームページや報道で教員に知らされるパターンが繰り返されている。あしきトップダウンだ」と批判した。(青木孝行)

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