戸田恵梨香「未来ある子供たちを守りたいと初めて実感しました」

2019年2月5日

東京ウォーカー（全国版）

映画「あの日のオルガン」プレミア上映会イベント開催！

　2月4日、映画「あの日のオルガン」のプレミア上映会イベントが丸の内ピカデリーで開催され、戸田恵梨香さん、大原櫻子さん、佐久間由衣さん、三浦透子さん、堀田真由さんが平松恵美子監督と共に登壇した。本作は、第2次世界大戦末期、東京の保母たちが幼い園児たちと集団疎開し、東京大空襲の戦火を逃れた日本初の「疎開保育園」の実話が描かれている。

　主任保母の板倉楓を演じた戸田恵梨香さんは「私、みんなと年がそんなに離れてないと思っていたんですけど、(三浦)透子ちゃんに『大丈夫ですか？』って心配されて(笑)。それでみんなに年を聞いたら割と20代前半で衝撃だった記憶があります。『リーダーに見えるのかな？』って心配していましたが、いやいや、年齢的に全然リーダーだなって(笑)」と話し、「楓は”怒りの乙女“と言われていますが、普段、心の中に沸々と怒りを持って何かと戦ったり挑んだりすることがないので、お芝居をする時に”怒り“を表現するというのが難しかったです」と演技での苦労も語った。

　野々村光枝役の大原櫻子さんは「年齢的にも、私の顔つき的にも、童顔と言われているので、保母さん役で大丈夫かな？と思いましたが、台本を読んでみたら、光枝は子供たちと一緒の視点に立って、楽しいことを探していく役だったので安心しました。みっちゃん先生としてオルガンを弾く役なので、オルガンがあったら勝手に演奏して子供たちと一緒に歌ったりして、大変なこともたくさんありましたけど、とても楽しく演じられました」と撮影を振り返った。

　佐久間由衣さんは、光枝の親友で姉のような存在でもある神田好子を演じている。「役柄的には、しっかりしているようでおっちょこちょいな部分があって、唯一青春をしている役でもあるので『普通の女の子だったんだな』というところも表現できればいいなと思いながら演じさせていただきました」と役柄について語り、「さくちゃん(大原)自身、しっかりしているので、役柄の上でも支えてもらった部分がいっぱいありました」と、クランクアップ後も一緒にランチに行くほど仲の良い大原さんの印象も伝えた。

　三浦透子さんは力持ちの先生、山岡正子を演じている。「とにかく声を出して、子供たちと触れ合おうと思って現場にいました。役としてだけでなく、縁の下の力持ちになれたらいいなと思っていたので、現場でも率先して動くようにしていました」とコメント。

　堀之内初江役の堀田真由さんは「初江は、みっちゃんの背中を押すしっかり者です。撮影は終盤からみなさんとご一緒する感じだったので、子供たちとコミュニケーションを取ろうと思ってお話をしていたら『今泣きたからしゃべんないで』って子供に怒られました(笑)。ちっちゃい役者さんたちのパワーをすごく感じましたね」と撮影時のエピソードを披露。

　保母役ということで、実際に保育園で実習も行ったそう。戸田さんは「とにかく体力がいる。ペアになって担当させてもらいましたけど、私とさくちゃんの組みはひたすら鬼ごっこをしていましたね。公園に着くまで走って、たどり着いてからも走って、子供に見つからないように隠れたりして、こんなに体力がいるんだなということを学びました」と振り返った。

　大原さんが撮影の時に印象に残ったこととして戸田さんのエピソードを披露。「子供たちを一列に並ばせないといけない時に、子供なのでふざけてしまって、スタッフさんが丁寧に言っても言うことを聞かないんです。私も『はい、みんな集中して！5秒で静かにしましょう！』と言ったりしたんですが、全然まとまらなくて。そんな時に恵梨香さんが『うるさい！』って言ったんです」と話すと、監督が「いやいや、関西弁だったね」と補足し、戸田さんは「はい、地元が兵庫なので関西弁で『うるさいねん！』って(笑)。初めて怒りましたね」と再現。

　イベントの終盤には園児役の子供たちがサプライズで登場し、花束を贈呈。戸田さんたちは笑顔で久しぶりの再会を喜んだ。

　最後は、「この作品で、未来ある子供たちを守りたいと初めて実感しました。本作に登場するけんちゃんは今も生きてらっしゃる方です。戦争を経験された方たちの実体験をリアルに聞けるのはもしかしたら私たちが最後の世代かもしれません。実際の戦争がどんなものだったのかを伝えられるのが今回の作品です。若い方にも当時生きた方にも伝わったらいいなと思いますし、10年、20年先まで心に残る作品になってくれたらうれしいです」という戸田さんのメッセージで締めくくった。